はなちゃん

□夢で見た星
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そのころ、
そんな学校の様子も知らず、
はなちゃんは眠りについていた。

『…………』

夢の中で、はなちゃんが見ている物は
真夜中の公園。

「……こんな公園知らないよ…」

冷静のようで意外と焦っているはなちゃんは、
理由もなく一度ジャンプして辺りを見回した。

公園には誰もいなく、
本気で来たこともなければ
見たこともないところだった。

はなちゃんは恐怖より、
「飽き」の方が先に来ていた。

「これ夢だよね?早く目ぇさめないかなぁ…あ、学校に宿題忘れた」

すると、誰かが公園に入ってきた。

はなちゃんは今までにないほどびっくりして、
思わず息を大きく吸い込んだ。

「おじいちゃん!あの星は?」

「あの星は一番目。一等星」

腰を曲げた老人と、
はなちゃんよりも小さい年の女の子が
空を指さして話していた。

「じゃあ…あの星は?」

「…あの星は二番目。二等星」

星のことについて話しているみたいだ。
はなちゃんは静かに見ていた。

「あの月は何番目?」

少女は大きな月を見ていた。
老人も上を見上げ、少女の頭を撫でた。

「あれは何番目とも言えないよ。僕らの星だからね」

はなちゃんは顔をしかめた。
僕らの星…?

「そっか…。じゃあそろそろ帰ろう!おじいちゃん!」

「ああ、そうだね」

彼らが両腕をあげると、
その身体はいきなり見たことがないような歪な身体になった。

頭が大きくて、手足は細く、
その顔についている目玉は
強大な物だった。

はなちゃんは口を押さえながら
その様子を見ていた。

足下から消えていく彼らは、
消える寸前になって
はなちゃんの方を向いて言った。

「今日、行くからね」
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