はなちゃん

□訪問3
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ここは平和な日本のどこか。

「あー…。平和だなぁ…」

エイムは暇を持て余している。
はなちゃんは「イタチの本」を読んでいた。

ジョンファンは…

「あれ?ジョンファンは?」

「え?知らない…けど…」

存在感が割と薄い彼は
目の前で爆睡しているとしても
なかなか気づかれることがない。

「…あ。いた」

「ジョンファン…ウオッ!いた」

「たこ焼きハンバー…んにゃ。あ。おはマス」

たこ焼きハンバー…
何だったんだろう。

ジョンファンはしばらくぼーっとしていたが、
やがて帰る準備をし始めた。

「あれ?ジョンファンにしては
今日は早いね。何かあるの?」

「マス。今日は空手の爺様が来るマス。だからマス」

柔道の爺様とか剣道の爺様とかもいそうだな
なんて思ったはなちゃんだったが、
口を開けなかった。

そのうち、エイムが聞いた。

「空手出来るの?」

「マス。結構前からやってるマス」

はなちゃんも勇気を出してみる。

「…柔道、とかは?」

「マスス。柔道はやってないマス」

「マスス」が「否定」を表してると気づいたのは
時が経ってからであって、
そのときのはなちゃんは
笑われたと思い、拗ねていた。

「ジョンファンの家、行きたいなぁ」

エイムが冗談で言うと
ジョンファンは笑って

「行くマス」

と本気にしていた。

後に引けなくなったので、
二人は一緒に歩き出した。
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