はなちゃん

□初恋
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三寒四温のうざったい日が続く中、
はなちゃん(あだ名)の顔は

「あれ?良江さん。朝ご飯はまだかいな?」

なんて言い出しそうな程
何かが抜けていた。

「は、はなちゃん?どうしたの?」

と言ってきたのは
お馴染みのエイム(あだ名)である。

はなちゃんはゆっくりと
エイムの方を向いた。

一瞬「誰だっけ?」と思ったのは
アルツハイマーな
はなちゃんだけのヒ・ミ・ツ!

「元気ないですマス。何かあったんですマスク?」

とうとうおかしさも最上級な日本語使い
ジョンファン(あだ名)は
至って真面目にしゃべっている。

頼りなさ過ぎるけど
話さないよりはマシかな、と、
はなちゃんは封筒を取り出した。

「これが今朝、郵便ポストの前に…」

何で前なの?
なんて言う場違いな台詞を吐いたら
殺されてもおかしくない状況だった。

それくらい
はなちゃんは疲れている。

手紙を開け、
中身を取り出すと、
エイムは声に出して読み始めた。

『初めて出会ってから
 君の背だけを
 追いかけてきました

 君がいたから
 生きようと思いました

 どんなに辛くても
 頑張れました

 君に会えたから
 楽しかったんです

 君がいなかったら
 私は今
 ここにいたでしょうか

 今ひたすらに願うのは
 君の幸せです

 初めての気持ちを
 気づかせてくれた
 君に気持ちを伝えます

 幸せになってください

 大好きです

    キジ男』
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