はなちゃん

□訪問2
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突然だが、
はなちゃん(あだ名)はシャイなために
友達の家に行ったことがない。

理由?
だからシャイだからだってば。

シャイなために人に誘われても

「えっ、いやっ」

で、行きたいという気持ちを素直に表せず、
相手も相手で

「あ、この子、来たくないんだな」

と余計な解釈をしてしまい
行く機会がなかった。


そんなお馬鹿なはなちゃんは
今日もぐったりした顔で
歩いていた。

「ねぇ、はなちゃん!いいでしょ?ね?」

横にいるエイム(あだ名)は
はなちゃんの顔をのぞき込みながら
訴えかけていた。

「行きましょマスよ!僕も行くマスから!一緒マス!」

日本語をしゃべってくれない
ジョンファン(あだ名)も訴えてくるが、
何を言いたいのかはかなり不明である。

「えっ、いやっ…あの…」

お決まりの
『素直になれないお返事』
が思わず口から出たはなちゃん。

断られるのが落ちだと
タカを括っていたのが
はなちゃんの馬鹿なところだった。

「よし!じゃあ今日3時に廊下に集合ね!!」

こうしてはなちゃん御一行は
帰りにエイムの家に行くことになったのだった。

はなちゃんがひっそりと言った

「同じクラスなんだから、集合しても意味なくない?」

と言う一言はトイレに流されたかのように消え失せていた。
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