はなちゃん

□訪問
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秋のように晴れ渡った空
確か今は2月だよね?

アルツハイマーはなちゃん(あだ名)は
空を見ながら思った。

『チョコケーキ…』

意味を知るよしもなかった。

「俺んちさあ、トイレが超並んでんだぜ。しかも誰も使わないきれいなやつ」

同じクラスの株式会社TUTUのご子息が
我が家について自慢していた。

彼は何を誇りに生きているのだろうか?

「はなちゃんちってさ、どんな家?」

エイム(あだ名)はいつものように話しかけてきた。

「僕も気になるマス。きれいな感ズィですかマス?」

最近、日本語の発音まで
おかしくなってきているこの子は
何の間違いもなくジョンファン(あだ名)だった。

「…家は別に普通だよ」

「よっしゃ!今日の帰りにはなちゃんちね!」

「さんせーますー!!」

話がかみ合ってない、いや、
かみ合わせようとしていなかった。

はなちゃんのため息は
二人に聞こえていないようだ。
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