君に捧げるレクイエム
□【第二夜・朋友 中編】
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頭上にある樹から
葉を透かして差し込む光
生を歌う鳥の声
世界が動き出す、一日の始まり
「ちょっと、レン。聞いてる?」
不機嫌そうで不可解そうな声が森の中を木霊する
バルコニーに腰掛けて
こちらを見下ろす姫君の声が
バルコニーから
すぐ見下ろせる小さな庭
そこにある大きな樹の下
レンは柔らかな草の上で
寝返りを打って彼女から逃げると
「あー。聞いてるよ。それで?」
と、相手の話の続きを促す
倦怠感を増すばかりの体を休めながら