君に捧げるレクイエム

□【第二夜・朋友 中編】
1ページ/21ページ


頭上にある樹から
葉を透かして差し込む光

生を歌う鳥の声


世界が動き出す、一日の始まり




「ちょっと、レン。聞いてる?」



不機嫌そうで不可解そうな声が森の中を木霊する

バルコニーに腰掛けて
こちらを見下ろす姫君の声が




バルコニーから
すぐ見下ろせる小さな庭

そこにある大きな樹の下



レンは柔らかな草の上で
寝返りを打って彼女から逃げると



「あー。聞いてるよ。それで?」


と、相手の話の続きを促す


倦怠感を増すばかりの体を休めながら



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ