君に捧げるレクイエム

□【第一夜・覚醒 中編】
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日が暮れて
月が昇る時刻


腹の虫が鳴ったトキトを笑いながら
レンは酒場の一階へ降りていく


もう、すっかり元気なようだ


盛況している酒場は
紫煙がたゆたい、喧騒が煩い


階段から降りてきた
レンとトキトの姿を見つけ、
カウンターの中に居た初老の男性が手招きした



此処のマスターだ


薦められるままに
カウンター席に腰を下ろす



「もう、大丈夫かね?」


レンを見ながら
良識なマスターはそっと問いかける


余所者を排除する傾向にある村人に遠慮しての
喧騒に紛れそうな小声だったが
レンは頷く


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