Heath
□永久に一人
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1.
遠い昔、世界に置いていかれた。
ついていこうとしても、見えない壁に拒まれた。
だから――それからずっとぼくはここにいる。
皆と同じ……だけど違う世界で、ずっと外を眺め続けていた。
ぼくの犯した罪は、ぼくがこの小さな匣から出ることを許さない。
抜け出そうとする度に匣は壊れ、また新しい匣に移される。
長い、永い、
とても永い時を一人で過ごして来た。
やっと、見付けたんだ。
ぼくが出ようとしても壊れない匣を。
「君の命尽きるまで、ずっと、一緒だよ」
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