Heath
□冬の天使達
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季節は冬。
扉を開けると風が冷たい。
(でも、雪は降らないんだよね……)
お兄ちゃんにお使いを頼まれて――っていうより使いっ走りだね――引き受けたものの、
「……やっぱり来るんじゃなかった」
寒いのはあまり好きじゃない。
「鈴」
「!?」
「どうしたんだ? ぼんやりして」
そうだった。シャルトもいたんだ。
「空に何かいるのか?」
そう言って空を見上げる。
視線は上向きだったかも知れないけど、別に空を見ていた訳じゃ無いんだよ?
そう言おうと思ったけど止めた。
私が声を出す前に、シャルトが私の手を引いて、少し早い速度で歩き出した。
「いつもの広場行くぞ。ここだと周りがうるさくなる」
「……??」
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