短編・詩

□任務
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 カルムとロント村のメンバーとの交流会が行われている頃、とある変わり者が集まる村に、一人の旅人が訪れた。
 黒猫を連れた旅人は、成り行きで預かったのだと言って一通の手紙をロントに渡した。依頼内容は近々行われるオークション会場の警護。

  * * *

「貴方達はそのまま、今から指定する場所へ向かいなさい」

 カルム滞在も残り一日を切って、「もうすぐ帰るよ」と報告したら舞い込んだ仕事。内容はオークション会場の警護。

「警護……なら、メンバーは」
『全員で』
「誰がまとめるんですか」
『あら、決まってるじゃない。貴方よ、エトランゼ』

 電話越しにも「何当然のことを」という表情が易々と想像できる言い方だ。
 シュクはまだしも、イルタは戦闘スイッチ入ると止めるのが大変なのはロントさんも知っているはずなのに……と、内心溜め息をつく。
 大まかな場所の説明を受け、後は自分で探しなさいと電話は切れた。残り時間は街の探索に費やされそうだ。

「まぁ、観光がてらってことで良いか」

 チーゼ達にも知らせなくてはと廊下を進むと、ご機嫌なルルと遭遇した。

「満足するだけ暴れられた?」
「いやいや、これから。今夜辺り仕事があるらしいんで」
「奇遇だね。僕らのところも依頼が入ったんだ。
 仕事、頑張ってね」
「お互い様にねー」

 ひらり手を振ってルルは外へ出掛けて行った。
 エトランゼは交流会に参加している仲間――シュク、チーゼ、イルタ――に声をかけ、オークション会場となる場所を探す為に街へ繰り出した。
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