お題
□叫ぶ、屋上にて。
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[忍足]
53叫ぶ、屋上にて。
昼休み、久々に屋上に行ってみる。意味はない。気分だと思う。
重い扉を開けて、風の吹く外へ出た。
誰もいない。今日は風が強く、お弁当なんか食べれる緩やかな風なんか吹いちゃいない。
眺めは相変わらず綺麗だが。
フェンスに寄り、町並みを眺めた。
「ハァ……」
小さくため息をついてみたが、風にさらわれたようだ。
「おしたりー!ずーっと大好きだよー」
風で他の人には聞こえないと思い、大声を上げた。我ながら恥ずかしい内容だが、返事もなく、風がいっそう強くなった。
「俺も好きやで。」
聞こえるはずのない言葉に一瞬頭がおかしくなったのかと思った。だが後ろには生の忍足がいた。
(叫んでみるものだね。)(せやな、)