GundamOO
□離れられない手と手
1ページ/6ページ
「おい、名無しさん」
ロックオンの少し困った声が頭上から聞こえた。名無しさんよりもずい分長身であるため、彼女は大きく彼を見上げる形となる。
「んー?」
大きくつぶらな瞳をくりっとさせ、名無しさんは首を傾げた。
「んー?じゃねぇよ。いつまでこうしてるつもりだ?」
そう言って、ロックオンはしっかりと握られた手をもう片方の空いている手で指差した。名無しさんはああ、とうなずくも、手は離さなかった。
「納得、じゃなくて。俺そろそろ行きたいんだって」
「もう少しだけ、ねっ」
ぎゅっと先ほどよりも強くロックオンの手を握り、お願い口調で言えば、彼は大袈裟なため息をついて、渋々了承するのだった。