BSR(novel)

□銀の風
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「よぉ毛利!!ひさしぶりだなぁ」

大きな船から
我を呼ぶ声がする。

そこにいたのは
四国の海賊
長曾我部元親。

いつも楽しそうな顔して
我の元にやってくる。

戦をしに来るわけでもなし、
本人曰わく
『ちょっと顔をみにきた』
と。


暇な奴だ。


「今日は何用ぞ」

キッと睨みつける。

「おいおい。そんな怖い顔すんなよ。お綺麗な顔が台無しだぜ」

まただ。
我を『綺麗な顔』だと申す。
男が男に言われても、
何も嬉しくもない。


「まぁ今日もあんたの顔見に来ただけだからな〜。また来るぜ」

そういってそのまま帰ろうとする。


「ならば茶でも飲んでいけ」

自分でもなぜ茶に誘ったのかはわからぬ。

気づいたら
声をかけていた。

周りの駒達も
我の言葉に驚いていた。
長曾我部も。


だが一番驚いていているのは
自分自身だとわかっている。


「あぁじゃぁ、お邪魔しちまうかな?」



妙なお茶会が始まった。
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