ショウセツ

□ハツコイ
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その日も、いつもの様に昼休みに裏庭に向かう。


その日も、いつもの様にジローが寝ている。

…ただ、違うのは

読んでる本が好みじゃないだけ…。

図書館の洋書コーナーで、悩んでいたら生徒会顧問の先生に
「文化祭の演目で、よく候補にあがるから…」
と、進められた本。


俗に言う『ロミオとジュリエット』

なんだか、好きな話じゃない。


それでも、読んでたら
…視界から、本が消えた。



いつも、寝ているだけのジローが俺から取り上げた。

取り上げた本を見て一言。

「アトベには、悲恋な話は似合わないよ!」

そう言うなり、俺の返事も聞かずに夢の世界に旅立った。


その本を枕にして…。



その日は、いつもと違う昼休み。

いつも通りの隣の存在が、特別に感じた昼休み。






end
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