カオス

□詐欺師の恋・紳士の愛
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自分が巻いた種なのに、どうしようかと悩んでいると、


「仁王君…いきなり逃げないで下さい。」



後を追ってきたらしい、柳生が声をかけてきた。



このまま騙しきるか…それともキチンと白状するか…。



っと考えながら、ある一点に気がついた。


「…仁王君?」



「えぇ、仁王君。なぜ貴方が女装なさってるのかは解らないのですが…」



まさか柳生に見透かされてるなんて夢にも思わず、なにも言えずにいた。



そんな俺を見て、柳生は察したように話しを続けた。


「でも…仁王君が女装をしてまで、私に好きな人が居るかを聞いてくれた。」




「…うぬぼれていたのです…『貴方に好意をもたれてると…』だから…私は…」



「うぬぼれじゃなかよ。…俺…柳生のこと、好いとんよ。」



立ち上がり、泣きそうな顔の柳生を抱きしめながら言った。







end
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