硝煙の吸血鬼

□悪†趣味
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『ぅ…っ;あ…ぁっ;ちょ…っとぉ!旦那ヤバいっス!!!少なくとも3つ以上の意味でヤバいっス;』


吸血鬼の腕から逃れようと、じたばたと必死で抵抗する……否、正しくは、しているつもりのhuman。悲しい事に"旦那様"には、じたばたどころか嬉しくて躯を跳ね上がらせている様にしか見えていなかった。
吸血鬼の愛撫は益々、執拗になる。
吸血鬼の呪縛から逃れられる筈もなく、抱きすくめられた躯に一層、制止させるべく旦那様に力を入れられる。


『!!!ぃ…っ…てぇ〜;旦那、痛いっス;マジで痛いっス;』


最早、半泣きのhuman。
否、自尊心の高い吸血鬼は、それすらも己を煽る仕草に見えていた。


『まだ歯も立てていないのに…†』


明らかに勘違いした台詞を吐く。その勘違いして吐いた様子までも被害者が美しく思える吸血鬼は、そぅそぅ居ない。


『ぁ…ぁの…旦那;すっごく言いにくいんデスけど…』


下手な言葉で機嫌を損ねては瞬殺される…と青二才の野生の勘が脳に伝令を与える。


『こ…こういう風にがっちりと抱きしめられると…ちょっと…;』


実弾入りのロシアンルーレットより恐ろしい事があるのを今、青二才は骨の髄まで感じていた。


『……厭か?』


冷ややかに据わった眼がhumanを見詰める。


『ぇ…;いや、あの………すんません;』


決死の覚悟で言った台詞は吸血鬼に届いた


『判った……』


そぅ言いhumanを解放し、抱きかかえ寝台に座らせた。


『これなら文句はあるまい†』


…場所と体制を変え、更に更にhumanを撫で回す勘違い番長…†





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