マイナー漫画
□台風
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台風
「誰か魔法でも使ってんのか?」
「馬鹿者。これは自然災害だ」
「マジかよ…」
窓から離れて駄犬が外を恐る恐る覗いている。
「口を開けていると馬鹿が────」
「何だと────」
ガンガンガンガンッ!!
「「!?」」
窓を激しく打つ音。
驚いたノラが俺の後ろにへばり付く。
「助けてー!!一磨君!ノラ君!」
「ネル!」
「何故ここにいる…」
仕方なく窓から入れたネルを風呂場に連れて行った。
「着替えるから見ないでね?それとも一磨君は──」
「そのまま入れ」
服を着たまま湯船に叩き込んだ。
「ヒドいなあ」
「風呂に入れてやっただけでもありがたく思え」
「つうか、何で凍ってんだ?」
嫌な予感がする。
「リヴァン水将軍にやられちゃった♪雨の日はさすがに勝てる気がしないから逃げたけどね」
「………」
「……この台風の主か……」
「はった迷惑だよねぇ〜」
「へえっくしゅんっ!!」
「将軍!!何なんですかこの有様は!また魔王様に!」
「ちっ…逃がしたか……面倒くせぇ…」
end