可愛い弟子
□続・ろまんひこう
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続・ろまんひこう
最近僕は小さくなる夢を見ました。そこで僕はネズミさんの部屋に招待されたり、飛行機で空を飛んだり、お風…ごほんっ!まあ、いろんな事をしました。それは確かに夢だったはずなのに、僕は今、また小さくなっています。
「アパ!ケンイチちょっと見ない間に小さくなったよ。ネズミみたいよ!カワイイよ!」
重苦しい空気の中、一人脳天気なアパチャイの声が響く。朝食でにぎわうはずの母屋の居間は、アパチャイの足を打つ音がおさまると水を打った様に静まり返った。
「アパ?」
「うむ‥‥思いっきり縮んだね」
「何落ち着いてんだ!どうすんだよ!?これじゃ修行どころじゃねぇぜ!」
「アイヤーここまで小さいと、針を刺すだけで致命傷になりかねないネ」
「……小さ…い」
「あぁどうしましょ!どうしましょ!」
『師匠達っていうか美羽さん、少しは落ち着いて下さい!僕を踏みつぶすつもりですか!?』
「うむ、ケンちゃんの言う通り少しは落ち着くんじゃ。長い人生、ちいちゃくなることくらいあるじゃろて」
「「「「それはない」だろ」ヨ」ですわ」
「アパ?長老何か知ってるよ?」
『何か解決法をご存じなんですか!?』
「いや、知んない」
「だろうな」
『あーもーっ!!学校どうしよう!』
「いけませんわ!遅刻ですの!」
「兼一君は…休むしかないだろうね」
「先生にはうまく言っておきますわ!」
『めそめそ……美羽さんいってらっしゃ〜い』
「いってきまーすですわ!」
慌ただしく美羽が出ていき、長老も出かけると、また沈黙が居間を支配した。
「マジでどうすんだよ」
「こうしていたところで仕方あるまい。こうなったら────」
「「「『なったら?』」」」
「いつも通り修行を開始する!!!!」
『え────っ!?』
「やっぱそれしかねぇか」
「朝から兼一と修行出来るよ!」
「…おいちゃんは治療法がないか文献を調べてみるヨ…」
『馬師匠!』
「私は今まで読んだ本の内容はすべて覚えているが…あいにく役に立ちそうなものはないしね。ここは馬に頼る他ないだろう」
「中国四千年の歴史ってやつか」