マイナー小説
□袋
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袋
「あんた袋はどこにあるんだい?」
「袋?」
アズサの脈絡のない問いにリロイは首を傾げた。
「荷物ならそこにあるだろ」
「その袋じゃないよ。あんたも体の中に一つぐらい持ってるんだろ?」
内臓のことだろうか?
するとリロイは意を得たと言わんばかりに口を開く。
「それなら股間に────」
「黙れ」
下ネタに走ったリロイの頭に私のネリチャギが炸裂した。さすがに実体化と同時の蹴りは避けられず、リロイが床に沈む。
「まったく、油断も隙もない」
テーゼはぽかんと口を開けているが、アズサは不思議がりもせず、面白くもなさそうにしている。
「あんたにもありそうだねぇ」
私は目を回したリロイをベットに放り上げる。
「何なんだその袋とは?内臓のことか?」
だとしたら私にはない。
「火炎放射袋さ」
「……怪獣袋か……」
ちなみに、リロイにもそんなものはない!!………はずだ。
袋
end