マイナー小説
□尻尾
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尻尾
「ほう、ベルトを変えたのかリロイ・シュヴァルツァー」
「あっ、ああ…」
汚れてでもいない限り、リロイの服装など気にも止めないフレイヤが開口一番そう言った。
尻尾
どうやらそれを聞くためだけに呼ばれた様だ。
「見たことのない獣皮だな。蛇にしては鱗が大きい。黒い鰐…など聞いたこともない。それは何の皮だ?答えろシュヴァルツァー」
退路を探すのはいいが、私の経験からして、ここには窓しかないぞ。
「……」
ブリジンガーメンの面々の援護は望めそうにもない。ここに来るまでにすでに同じ質問を数度かわしてきている。
「答えろ」
「このベルトは…」
目で私に訴えたところで今は剣である私にしてやれることはない。
「ベルトは?」
「………どうでもいいだろがそんなこと!よってたかってなんなんだ!俺が何着てようが俺の勝手だろうが!」
逆ギレか、相棒よ。
「いちいち干渉してくるな!俺にだってプライベートがあるんだぞ!」
よくそんな言葉を知っていたな。使いもしないのに。
いや、今使ったか。
「女王命令でもか?」
「フレイヤお前だろうが誰だろうが、今後このベルトの事については一切聞くな!俺に教えるつもりはないからなっ!!」