詩
□嗜血
1ページ/1ページ
彼が、紅く染まりながら艶やかに微笑んでいる
それは
彼の一番美しい表情
辺り一面の紅も
彼を引き立てるモノでしかない
血に飢えた
汚れなき獣
夥しい肉塊に埋もれようと
純粋無垢なまま
彼は、血涙に溺れながら
無自覚に人を狂わせていく
引き返せない程、深みに嵌った私は
正気と狂気の狭間で
彼に侵蝕されていく
彼は私の細胞を一つ残らず喰らい尽す
私は彼のモノ
彼は私のモノ
世界には彼と私だけ存在すれば良い
他なんて、いらない
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ