□誤差
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貴女を喪い、全てに失望した日

俺は奈落へと堕ちた

最低最悪な境涯の、絶望の淵で見つけた
ごく僅かな一縷の希望

貴女が生存しているかもしれないという希望

その儚い輝きに追い縋って

貴女だけの安否を祈ってきた

そして

貴女は生きていた

やっと

貴女に手が届く

一度は喪ったと思った貴方が

ようやく…

手に入ったと思った



手が触れる寸前の僅かなズレ

その一寸の誤差が最大の過ち

やっと

やっと

逢えたのに

抱き締められたのに

手が届かない

何故

俺達を引き離そうとする

俺達は、共に居る事さえ赦されないと言うのか?

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